高さ10mの巨岩、劇場版「うつせみに結ぶ」の舞台
あさぎり町深田、球磨川沿いに立つ高さ10mの巨岩。劇場版「うつせみに結ぶ」の舞台。
球磨川沿いの道を進むと、高さ約10メートルの巨岩が視界いっぱいに迫ってくる。あさぎり町深田に立つ「立岩」で、古くから地域の目印として、また信仰の対象として親しまれてきた。周辺には河岸段丘の地形が広がり、川の流れと岩肌が織り合わさって球磨地域らしい荒々しい景観をつくっている。表情は日によって違う。晴れた日には岩の輪郭が川面にうっすらと映り込み、曇りの日には灰色の岩が空との境目を失うほど風景に沈んで見える。 劇場版「うつせみに結ぶ」(2018年)では、この巨岩がある景観が物語の重要な場面の舞台として描かれた。劇場版を目当てに、わざわざ球磨まで足を運ぶファンも少なくないという。近くには「魚背岩」と呼ばれる岩もあり、球磨川沿いを歩きながら二つの巨岩を続けて眺めることができる。どちらも自然にできた岩でありながら、それぞれ違う名前で呼ばれ、地域の人々に親しまれてきた歴史があるのだろう。 足場が不安定な箇所があるため、遊歩道や決められた見学スポットから外れて岩に登ったり、際まで近づいたりしないこと。球磨川は増水時に水位が上がりやすい区域でもある。大雨の後などは訪問を控え、現地の案内板や注意表示に従いたい。周辺には歩道と車道が入り混じる区間もあり、車の往来にも気を配る必要がある。人吉市街からは車で約25分、公共交通の便はほとんどないため、あさぎり町内の他のスポットと合わせて車で巡るのが現実的なルートになる。魚背岩とセットで写真に収めるなら、朝夕の斜めの光が岩の凹凸を強く見せてくれる時間帯を選びたい。
アクセス: 人吉市街から車で約25分。公共交通の便は薄い。