第16回で描かれた明智光秀の城下町
大津市坂本・下阪本一帯に広がる、明智光秀が築いた坂本城の城下町。「豊臣兄弟!」第16回で描かれた光秀の統治の舞台となった、実在の史跡・町並みゆかりの地。
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第16回、明智光秀が近江の要衝・坂本を治める場面の舞台になったのが、比叡山延暦寺の門前町として発展してきた坂本の町だ。信長による比叡山焼き討ちのあと、1571年に光秀へ築城を命じたのが坂本城で、宣教師ルイス・フロイスは著書の中でこの城を「安土城につぐ天下第二の城」と評したという。1582年、本能寺の変で信長を討った光秀は山崎の戦いに敗れ、坂本城を目指す道中で落命した。城はその4年後、1586年に浅野長政が大津城を築く際、資材を転用される形で廃城になっている。
実際のロケ撮影はスタジオや東日本が中心で、坂本そのものは撮影地ではなく、光秀の統治が実際に行われた土地としての「ゆかりの地」にあたる。坂本城の遺構は地表にほとんど残っていないが、2023年には新たな石垣が発見されており、まだ土の下に眠るものがあることを思わせる。地中に埋もれた城の痕跡がいまも見つかり続けているという事実は、坂本という土地の歴史がまだ掘り切られていないことを示している。
琵琶湖岸に整備された坂本城址公園には光秀の像が立ち、日吉大社の参道沿いには穴太衆積みの石垣が今も連なる。穴太衆は比叡山延暦寺の石垣工事を担ってきた石工集団で、信長が安土城の築城に彼らを起用したことで名を上げ、坂本という土地が城だけでなく寺社や町全体を支える石の技術とともに歴史を重ねてきたことがうかがえる。城は消えても、積み上げた石はそのまま残ったということだろう。
坂本城址公園から日吉大社・穴太衆積みの町並みまでは徒歩で回れる範囲にまとまっており、比叡山坂本ケーブルの起点も近い。一部は現役の住宅地・門前町でもあるので、住民の生活や参拝者の通行を妨げないよう気をつけたい。
アクセス: 京阪石山坂本線「坂本比叡山口駅」から徒歩約10分で坂本城址公園。日吉大社・町並みまで徒歩圏内。