中野渡頭取が会見を視聴する墓地
伊勢原市日向の山あいにある寺院。半沢直樹2020年版最終話で、中野渡頭取が帝国航空再建の会見を視聴する場面のロケ地となった、墓地を含む現役の寺院。
1608年、木食上人と呼ばれた僧・弾誓によって開かれたのが浄発願寺だ。徳川家康の信仰を受け、第4世住職の空誉の頃には大きな伽藍を備える寺へと発展し、江戸時代には放火と殺人以外の罪人であれば駆け込んで助けられるという「駆け込み寺」の役割も果たしていた。明治に入ると寛永寺の末寺だったことで風当たりが強くなり、寺を支えていたパトロンからの援助も打ち切られ、修行僧は40人から2人へと激減する。長い歴史の中でも寺運が最も衰微した時期だったという。決定的な転機は1938年、台風による土砂崩れで、寺は丹沢山地の麓、現在の伊勢原市日向の地へ移転した。旧所在地は今も「奥の院」として遺構が残る。境内には三重塔が建ち、縁起絵巻や六字名号雨乞軸といった伊勢原市の指定文化財も伝わっており、駆け込み寺として続いてきた歴史の厚みを今に伝えている。
半沢直樹2020年版最終話では、東京中央銀行の中野渡頭取がこの地で帝国航空再建の記者会見を視聴する、物語の締めくくりに位置する場面のロケ地として使われた。長い戦いを見届ける頭取の姿が、山あいの静謐な境内と重なる。
境内には檀家の墓所が広がる現役の寺院・墓地であり、参拝者や墓参りの方々への配慮が特に求められる。写真撮影は境内の景観に限り、墓石や墓参中の方を写さないこと、線香や供花の場を横切らないことなど、通常の観光地以上のマナーが必要になる。伊勢原駅からバスで向かうのが現実的なアクセスだ。
アクセス: 小田急線「伊勢原駅」からバス