境水道をまたぐ連続トラス橋
国道431号が境水道をまたぐ延長709mの3径間連続トラス橋。鳥取県境港市と島根県松江市を結び、VIVANT続編第4話のロケ地として登場する。
境水道大橋が国道431号の橋として開通したのは1972年7月のことだ。中海と美保湾を結ぶ境水道に架かる延長709mの3径間連続トラス橋で、竣工当時は同形式の橋として中国地方最長、その構造美から1972年度の土木学会田中賞(作品部門)を受賞している。田中賞は年間でも数橋程度にしか贈られない、橋梁技術者にとって最高の名誉のひとつとされる賞だ。松江市側の取り付けは標高約50mの丘陵、境港市側は埋立地でほぼ0mという、左右で大きく異なる地盤高を結ぶ必要があったため、上路式と下路式のトラスを組み合わせた非対称の構造を採る、設計上の工夫が詰まった橋である。 橋の上からは、境水道を行き交う漁船や貨物船と、水揚げ量で全国3位(2024年)を誇る境港の港湾風景を一望でき、晴れた日には日本海側の開けた眺めも楽しめる。 VIVANT続編第4話では、新庄浩太郎がパトカーで渡る橋としてこの境水道大橋が撮影に使われ、続く場面で境水道沿いに建つ王子製紙米子工場の工業地帯の風景が映し出された。工場は稼働中の私有施設のため巡礼の対象にはできないが、橋自体は2002年に無料の一般道となっており、境港市側の歩道からは水道を行き交う船と対岸の工場群を見渡せる。車道は国道431号として交通量が多く、路上駐停車は危険なため、周辺の駐車場に車を置いてから歩道を渡るのが安全だ。歩道からは干満で流れの向きが変わる境水道特有の潮の景色も眺められ、橋の主径間にあたるトラス部分は視界が大きく開ける。JR境線「境港駅」から車で約7分、水木しげるロードとあわせて巡るファンも多い。橋を渡り切った松江市側は住宅地が広がる静かな一帯で、鳥取・島根の県境をまたぐという地理的な面白さも、この橋を訪れる楽しみのひとつになっている。
アクセス: JR境線「境港駅」から車で約7分(徒歩約30分)