臼杵港

四国へ渡るフェリー乗船地

鈴芽と草太が四国へ渡るために乗船するフェリーのモデルとされる、大分県臼杵市の港。愛媛県八幡浜港との現役航路を持つフェリーターミナルがある。

大分県臼杵市のフェリーターミナルは、宇和島運輸フェリーと九四オレンジフェリーの二社が、共に愛媛県八幡浜港との間に定期航路を運航する港だ。豊後水道を渡るこの航路は各社一日七往復、所要時間は二時間二十分から二十五分ほどで、九州と四国を結ぶ生活航路として機能している。臼杵港と八幡浜港を結ぶこの航路は、大分と愛媛を結ぶ定期航路の一つとして地域で親しまれてきた。2015年の統計では年間の入港船舶数が4,920隻、利用客数は17万人を超えており、観光地というより地域の足として使われてきた港であることがわかる。老朽化した旧フェリー埠頭に代わり、2025年5月には約500メートル東に新しい埠頭が完成し、造船所や魚市場の動線とフェリー交通を分離する形で安全性が高められた。待合所には売店や自動販売機があり、乗船前の待ち時間を過ごしやすい。

港は今も生きている。映画「すずめの戸締まり」では、九州から四国へ渡る鈴芽たちの乗船地のモデルとされ、愛媛側の上陸地とされる八幡浜港とあわせて訪ねると、劇中の移動ルートを実際の航路でなぞることができる。臼杵城下町の二王座歴史の道からも近く、江戸期の白壁や石畳が続く町並みを見た後にターミナルへ歩けば、古い町と現役の港が同じ通りの先で地続きになっていることに気づくはずだ。かつては旧埠頭一本で全ての便を回していたが、新旧の埠頭を分けたことで乗降と荷役が交わらなくなり、待合スペースにも余裕が生まれた。

ただしここは今も乗降客と港湾作業車両が行き交う現役施設である。岸壁に近づきすぎたり、ターミナル建物内で長く立ち止まったりせず、出航時刻は事前に公式サイトで確認しておきたい。JR臼杵駅からは徒歩約15分、あるいはバスでアクセスする。

アクセス: JR日豊本線「臼杵駅」から徒歩約15分

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