第9話 わんこ寺として登場する古刹
天台宗別格本山の古刹で、本尊は不動明王。霊犬・早太郎伝説で知られ、境内には犬の像が祀られている。国の名勝の庭園と三重塔を持つ。
杉の巨木が並ぶ参道を抜けると、苔むした地面と三つの庭園が織り重なる光景が広がる。1967年に国の名勝に指定された「光前寺庭園」は、蘭渓道隆式の池泉庭園、築山式の枯山水、築山式の池泉庭園という三様の趣を境内に併せ持ち、湿った岩肌には発光するヒカリゴケも自生している。境内の背後には中央アルプス駒ヶ岳が控え、伊那谷らしい山あいの風景が寺全体を包み込む。境内は静かだ。光前寺は貞観2年(860年)頃、円仁の弟子・本聖の開基と伝わる天台宗の別格本山で、中世には寺で育った山犬・早太郎が遠江国見附村で人々を苦しめていた怪物を退治し、傷を負ったまま光前寺まで戻って和尚に一声吠えて息を引き取ったという伝説を今に伝える。この説話は磐田市の見付天神(矢奈比賣神社)にも伝わっており、伝説が縁となって1967年1月には駒ヶ根市と磐田市が友好都市関係を結んだ。1976年には「まんが日本昔ばなし」でもアニメ化され、境内には早太郎の墓と像が残る。『ゆるキャン△』第9話でリンが上るのは、嘉永元年(1848年)再建の三門から続く石段で、上層に十六羅漢を祀るこの門をくぐった先に、犬の像が祀られた「わんこ寺」の場面が待っている。樹齢400年級とされるしだれ桜も見ものだが、境内はあくまで現役の宗教施設だ。参拝の作法を守り、本堂や仏像への無許可の撮影は控えたい。中央自動車道・駒ヶ根ICから西へ1.2kmほどの距離にある。
アクセス: 中央自動車道「駒ヶ根IC」から西へ約1.2km(公共交通は不便)