第4話 リンがボルシチを味わうビーナスライン沿いの高原
車山を中心とする標高1900m級の高原で、観光道路「ビーナスライン」が横断する。日本を代表する高原植物群落を持ち、ワインディングロードのツーリングスポットとして人気。
車山を最高峰とする霧ヶ峰は、約140万年前に火山活動が始まり、最新の噴火からおよそ75万年、現在のような溶岩台地状の地形になったのは約30万年前とされる。ニッコウキスゲが咲く7月中旬には黄色い花が一面に広がり、「ニッコウキスゲの道」と呼ばれる遊歩道が整備されている。八島ヶ原湿原・踊場湿原・車山湿原の3つの湿原植物群落は1939年に天然記念物指定を受け、1960年に統合されて現在の指定区域になった。第4話でリンがソロキャンプに向かう途中、ビーナスラインを走りながらボルシチを味わうのが、この高原を舞台にした場面だ。エンジン音と風の音だけが聞こえる高原の道は、実際に走ってみると劇中の孤独感と充足感の両方がよくわかる。ビーナスラインは諏訪から美ヶ原まで続く高原ドライブルートで、霧ヶ峰付近は特にカーブが多く見晴らしの良い区間として知られる。路肩に車を止めて外に出ると、標高の高さを実感させる冷たい風がすぐに頬を打つ。中央自動車道・諏訪ICから車で約30分。かつての休憩施設「霧の駅」は老朽化のため2022年に営業を終え、現在は新設の「霧ヶ峰ビーナス」が旅の駅として機能している。山名の由来とされる、盆地からの湿った空気が高原にぶつかって霧を生む気象条件は今も変わらず、夏でも独特の涼しい霧景色が見られる。濃霧が発生しやすい地形なので、二輪や自転車で走る際は視界不良に注意すること。公共交通が不便な区間だけに、自分のペースで走れる乗り物で訪れるのがおすすめだ。
アクセス: 中央自動車道「諏訪IC」からビーナスライン経由で車で約30分(公共交通は不便)