代田富士見橋

想が『うるさい』と手話で泣きながら伝えた橋

世田谷代田駅西口を出てすぐ、小田急線の地下化で生まれた歩行者専用橋。第1話で想が難病(若年発症型両側性感音性難聴)を紬に告げ、拒絶するように手話で「うるさい」と繰り返す屈指の名場面の舞台。

小田急小田原線が地下を走るようになったのは2020年4月1日、東北沢駅から世田谷代田駅までの区間が地下化されたときのことだ。線路の跡地に生まれた複合エリア「下北線路街」の一部として架けられたのが代田富士見橋で、晴れた日には遠く富士山を望めることからその名がついた。下北線路街は全長約1.7km、13の施設が並ぶ複合エリアで、世田谷代田エリアには住宅や大学施設、温泉旅館が、下北沢エリアには学生寮やイベント広場が、東北沢エリアには商業施設やホテルが配置され、店舗と住宅が一体化した「BONUS TRACK」のような商業スポットも含まれている。世田谷代田駅の西口とほぼ一体化した歩行者専用の橋で、通勤・通学の人々が朝夕ひっきりなしに渡っていく。『silent』第1話、聴力を失いつつあることを紬に打ち明けられずにいた想が、紬に「ちょっと話そうよ」と歩み寄られた末、号泣しながら手話で「うるさい。お前、うるさいんだよ」と叩きつけたのは、この橋の上だった。声を伝える手段であるはずの手話が、拒絶の言葉に転じる。この演出は放送後も名シーンランキングで上位に挙げられ続けている。橋そのものは特別な場所ではない。駅前の日常をつなぐ、ただの公共歩道だ。だからこそ、そこで交わされた激しい感情の落差が際立つのだろう。訪れる際は、この橋が今も近隣住民や通行人の生活道路であることを忘れないでほしい。手話の身振りを真似て大声を出したり、橋の上に長時間立ち止まって撮影したりする行為は、日々ここを渡る人たちの迷惑になる。早朝や深夜の訪問、大声での会話も控えたい一線だ。

アクセス: 小田急小田原線「世田谷代田駅」西口より徒歩1分

登場シーン

作品

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