牧野富太郎が幼少期に植物観察をした佐川の氏神
佐川町の氏神を祀る神社。牧野富太郎が幼少期からこの杜で植物観察に親しんだと伝わる。参道や境内の木々は、幼い富太郎が見た当時の面影を今に残す。
金峰神社は、高知県高岡郡佐川町にある神社で、地域の氏神として古くから信仰を集めてきた。境内を含む一帯は現在「牧野公園」として整備されており、植物学者・牧野富太郎が幼少期からこの神社の杜に通い、草花や木々の観察に明け暮れたと伝えられている。佐川の造り酒屋「岸屋」に生まれた富太郎は、幼くして両親と祖父を失い、祖母に育てられながら学問に励んだが、故郷の自然の中で植物への興味を育んだ原点がこの杜だったとされる。NHK連続テレビ小説『らんまん』では、牧野富太郎をモデルにした主人公・槙野万太郎が故郷の神社の杜で植物と出会う少年期の場面が、佐川町のこうした土地の記憶を踏まえて描かれている。神社は現在も地域の人々が日常的に参拝する現役の神社であり、聖地巡礼として訪れる際は、参拝や祈願の妨げにならないよう静かに過ごし、社殿への無断の立ち入りは避けたい。桜の季節は牧野公園としての花見客も多く訪れる。参道の石段や境内の木々は、幼い富太郎が日々目にしていたであろう当時の面影を、大きく変わらない姿で今に伝えている。社殿の奥に広がる杜の静けさは、少年が植物と向き合った時間の長さを想像させ、この杜での経験が後の植物学者としての観察眼の礎になったといえる。
アクセス: JR土讃線「佐川駅」から徒歩約15分